就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効となり、無効となった部分は、就業規則で定める基準によることとなります(労働基準法93条、労働契約法12条)。
つまり、就業規則で定められた労働条件を下回る労働条件は、たとえ個別に合意したとしても無効になり、無効となった部分は、就業規則どおりの労働条件によることになります。
しかしながら、就業規則は、使用者が作成するもので自由に変更が出来てしまいます。そこで仮に使用者側が就業規則の規定を変更し、就業規則に定めていた労働条件を変更してしまうことで、最低基準そのものが低下するケースも現実として増えてきております。
知らないうちに就業規則が不利益に変更されたりしていないか、注意することが必要です。
実際に労働条件の変更が不利益か否か判断するには、下記基準に基づいて判断することになります。
労働契約法10条の規定から、次の点を総合的に考慮して判断することになります。
1 労働者の受ける不利益の程度
2 労働条件の変更の必要性
3 変更後の就業規則の内容の相当性
4 労働組合等との交渉の状況
5 その他の就業規則の変更に係る事情
労働条件の変更についてのお悩みは弁護士 阿野順一までご連絡下さい。