弁護士 阿野順一の労働問題相談

労働基準法

労働基準法は、労働者の賃金や労働時間、休暇等の主な労働条件に ついて、最低限の基準を定めたものです。この基準に満たない就業規則 や労働契約は、その部分が無効となり、労働基準法が適用されます。 使用者と労働者とは、労働契約という契約関係で結ばれた両当事者であり、元来対等な関係であるはずです。


けれども現実には、雇う側である使用者が、雇われる側である労働者に比べて圧倒的に優位な立場にあることは否定できません。そのため、使用者が労働者を不当な条件で酷使するという事態を防ぐために日本国憲法では、使用者と労働者の関係を実質的に対等なものとし、使用者による不当な搾取を防止すべく、社会的な弱者である労働者に対し、さまざまな権利を「人権」として保障し、また、いくつかの制度的な保障を定めています。


そのうちの1つとして、憲法は、27条2項において、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」とし、賃金などの労働条件の基準は、法律で決めなければならないと定めています。


つまり、賃金などの労働条件は、使用者がまったくの自由に決めていいというものではなく、少なくとも、国民の代表機関である国会が制定した法律によって定められた基準に従わなければならないということです。


そして、この憲法27条2項にいう「賃金などの勤労条件に関する基準」を定めた法律にはいくつかの法律があります。


そのうちの1つが、「労働基準法」ということになります。

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